2017年2月18日土曜日

中古音の学び方

早く現在の普通話の発音の話に移りたいのですが、もうしばらく中古音の話を続けたいと思います。


ネットの海は広大ですね。ネット上の資料だけで中古音は学べてしまいます。
今回はそんな、中古音を学ぶのに役に立つオンライン資料の紹介に徹したいと思います。



大雑把な言い方になりますが、切韻と韻鏡という二つの資料を突き合わせて複雑な音節表をつくり、それを現代の漢字文化圏の諸言語・諸方言との対応や発音を知る手がかりになる歴史的文献と比較することで中古音は復元されています。
近代的な学問として中古音の復元に取り組んだ最初の学者とされるのがスウェーデンのベルンハルト・カールグレンですが、江戸時代の日本の国学における中古音研究もなかなか大したものです。韻鏡というのは中国では長らく失われていて日本にのみ残っていたものが、近代になってから中国側にも知られるようになったものだそうです。


ともかく中古音の入門テキストとしては以下のものをお勧めします。わずか30ページちょっとの資料ですが、この練習問題をすべてやると一通りの知識は身につきます。
音韻学入門 −中古音篇 - 愛知県立大学 外国語学部(富山大学人文学部中国言語文化演習テキスト 1998)

上で紹介したテキストが書かれた1998年に比べて、オンライン上の資料はだいぶ充実しています。
例えば、韻典網では様々な韻書から漢字の発音を横断的に検索することができます。そのサイト内にある、韻鏡を広げた中古音の全音節表とも言うべき広韻の等韻圖を私はエクセルにコピーして並べなおして遊んでいたことがあるのですが、中古音の音節構造について知識が増した経験でした。

他には、韻鏡をオンラインで見やすいフォーマットにして公開しているサイトもあります。
WEB韻鏡

他に日本語のサイトでは漢字データベース内の宋本広韻データが便利です。


あとは、英語版のウィキペディアがけっこう詳しいです。




0 件のコメント: